隅っこ
 宇宙の隅っこと私の部屋の隅っこの違いって一体何? 同じ隅っこであることに違いは無い、でも確実にそれが違うっていうのは分かる。でも私は直感的にそれを理解出来ないの。だって私の部屋の隅っこには地球がいるのだから。
 最近学校で宇宙について習った。宇宙はずっと膨張してて、たくさんの星、銀河、ブラックホールがある。地球の説明に「生物が活動する太陽系ただ一つの星」と書かれてた。きっとそれは「太陽系」外だったら生物がいるかもしれないという希望だろうね。でもその生物のいる星はずっとずっと離れてて、地球が太陽に飲み込まれても出会うことは無い。だから地球は永遠の一人ぼっち。ああ、可哀想。ずっと隅っこで未知の宇宙に怯えてる。
 だから地球は私の部屋の隅っこにビューンと飛んでくる。
 「こんにちは、ご機嫌いかが?」と、声をかける。
 すると、こう返ってくる。「最悪最悪、皆さんみんな自分勝手!」
 皆さんっていうのは人間のこと。自分勝手に地球の形を変えようとしてる皆さんのこと。(私もその一人であることに間違いは無い)。
 宇宙の隅っこにいるのなら、私の部屋の隅っこへ来てよ。いつでもウェルカムウェルカム。
 だから私の部屋には地球がいる。宇宙の隅っこと私の部屋の隅っこは、どっちも同じ隅っこだ。





ぐるぐる
 海王星や天王星の公転周期は百五十年をゆうに超える。私がいくら長生きしても一周しない。でも私にそれを確認するすべは無い。
 だから関係無いってことにはならないよね?





半径 七万一千四百九十二km
 もし私が木星ぐらい大きくなったら何をしよう。宇宙を端から端まで走ってみるとか?
 やっぱり、今の大きさでいいや。きっと私にはぴったりのサイズ。






 地面の石を拾って、「これも星の石だよ」という屁理屈がある。
 それが屁理屈だと分かっていても、それでも正しいと知っているのに、みんなを違うと思わせる理由。
 それは「地球以外の星を取ってきて欲しい」わけでも、「地球の石とか珍しくない」と思っている訳でもない。
 ただ一つ。「私のために星を取ってきて!」





Yesterday
 タイムトラベルをする条件その一、光の速さに近づかなければならない。その二、過去には戻れない。
 光の速さで昨日に戻りたい私はどうすれば良いの?






 彗星に乗って宇宙をランデブー。地球を飛び出し、火星を越えて、木星土星天王星海王星、ついでに冥王星にも寄っていこう。太陽系を飛び出したら、銀河系の外まひとっ走り。バラバラになった星座の星に手を振って、ピンク色の星雲に背を向ける。もしかしたら宇宙の外だって行けるかも。
 広い世界へ行こう。そこに何があるかさえ知らずに。